運輸安全マネジメントとは
運輸安全マネジメントとは、経営トップから現場まで一丸となり安全管理体制を構築・改善することにより輸送の安全性を向上させるための仕組みです。
事業者が安全性向上のための計画を作成して実施し、その効果を評価し、改善ポイントを整理しさらに改善計画を実施するという取り組みを行い、常に輸送の安全のレベルアップを図るものです。
運輸安全マネジメント制度は、平成17年にヒューマンエラーに起因すると考えられる事故・トラブルが連続して発生したことがきっかけとして、平成18年10月に導入されました。
事業者自らが自主的かつ積極的に輸送の安全の取組みを推進し、構築した安全管理体制をPDCAサイクルにより継続的に改善し、安全性の向上を図ることが求められています。
PDCAサイクルとは
- Plan → Do → Check → Act(計画の策定、実行、チェック、改善)のサイクル
運輸安全マネジメントでのPDCAサイクルは次のようなものです。
1.PLAN:安全性の向上のための計画を作成する
2.DO:計画に基づく安全対策を実施する
3.CHECK:実施したことによる効果を評価する
4.ACT:改善ポイントを整理し、さらに計画を改善し実施する
この手順を繰り返すことによって、輸送の安全のレベルアップを図ります。
運輸安全マネジメントを実施するための4ステップ
運輸安全マネジメントを実施するために次の4つのステップを進めていきます。
- 1.安全方針の作成と社内への周知
- 2.安全方針自負減のための安全目標の制定
- 3.安全目標達成に向けた計画の策定
- 4.安全管理取り組み状況の点検
1.安全方針の作成と社内への周知
輸送の安全に関する基本的な考え方を安全方針としてまとめ、社内に周知させます。
安全方針には、「法令や社内規則を守ること」や「輸送の安全が第一であること」を明記
します。
安全方針を社内に周知させるには、次のような方法があります。
- 事務所への掲示
- 安全方針を記載した携帯カードの社員配布
- 点呼・各種会議での冒頭唱和 など
2.安全方針実現のための安全目標の制定
安全方針実現のための安全目標は、達成状況を把握しやすいものにします。
次のことを考慮して、安全目標を作成します。
- 安全方針の趣旨に沿っていること
- 目標の達成度が把握できること
- 現場での課題が反映されていること など
3.安全目標達成に向けた計画の策定
安全目標を達成するために、キャンペーンを企画するなどスケジュールを決めて実施します。
4.安全管理取り組み状況の点検
少なくとも年に1回は、安全目標の達成状況や安全管理の取り組み状況を点検します。
点検の結果問題点が判明した場合は、必要な改善を行ないます。