このページでは、トラック運送事業におけるグリーン経営認証について解説しています。
グリーン経営認証を取得していることは、Gマークの認定を受けるための評価項目のひとつです。
グリーン経営とは
グリーン経営とは、「環境負荷の少ない経営」のことです。企業の社会的責任として、環境問題にも積極的に取り組んでいくことが求められています。
グリーン経営は、ISO14001認証の取得が難しい中小規模の事業者でも環境改善に向けた取組みの目標設定とその評価が容易になり、自主的で継続的な環境保全活動を行うことができます。
※ISO14001:環境マネジメントシステムに関する国際規格。認証費用は、審査登録機関への申請費用やコンサルタント費用等の直接費用だけでも、およそ300万円程度必要です。
グリーン経営認証とは
グリーン経営認証は、「公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団」が認証機関となり、グリーン経営推進マニュアルに基づいて一定のレベル以上の取組みを行っている事業者に対して、審査の上認証・登録を行うものです。
グリーン経営認証取得による効果
トラック、バス、タクシー事業者の取得2年後の平均燃費は、車両総重量8トン以上のトラックの場合で認証取得時と比較して3.3%、8トン未満で3.3%、バス2.7%、タクシー1.6%と向上したとの調査結果があります。
同じ調査では、認証取得後1年目の走行距離あたりの交通事故件数は、前年比でトラック24.8%、バス20.7%、タクシー6.3%減少し、また、走行距離あたりの車両故障件数は、前年比でトラック18.5%、バス3.6%、タクシー15.9%減少していました。
認証取得によるメリット
認証取得事業者が感じているメリットを下表に示します。
項目名 | トラック | バス | タクシー |
---|---|---|---|
燃費の向上 | 83.2% | 76.6% | 76.8% |
職場モラルの向上 | 76.1% | 74.5% | 81.1% |
お客様からの評価向上/取引上の優遇 | 50.1% | 27.1% | 31.8% |
リーダー層の人材育成 | 31.5% | 32.5% | 24.2% |
交通事故件数の減少 | 50.3% | 38.8% | 46.8% |
車両故障件数の減少 | 55.2% | 41.1% | 45.0% |
廃梱包材量の減少 | 16.7% | - | - |
平均燃費の改善<トラック、バス、タクシー>
認証取得事業者の平均燃費は、認証取得後の2年間でそれぞれよくなりました。
■車両総重量8トン以上のトラック | 認証取得時比 3.3% 改善 |
■車両総重量8トン未満のトラック | 認証取得時比 3.3% 改善 |
■バス | 認証取得時比 2.7% 改善 |
■タクシー | 認証取得時比 1.6% 改善 |
交通事故件数の減少<トラック、バス、タクシー>
アンケートに回答のあった認証取得事業者の走行距離あたりの交通事故件数は、認証取得後1年目に前年比でトラック24.8%、バス20.7%、タクシー6.3%減少しました。
■トラック | 認証取得後1年目の前年比 24.8% 減少 |
■バス | 認証取得後1年目の前年比 20.7% 減少 |
■タクシー | 認証取得後1年目の前年比 6.3% 減少 |
車両故障件数の減少<トラック、バス、タクシー>
アンケートに回答のあった認証取得事業者の走行距離あたりの車両故障件数は、認証取得後1年目に前年比でトラック18.5%、バス3.6%、タクシー15.9%減少しました。
■トラック | 認証取得後1年目の前年比 18.5% 減少 |
■バス | 認証取得後1年目の前年比 3.6% 減少 |
■タクシー | 認証取得後1年目の前年比 15.9% 減少 |
グリーン経営認証登録された運送事業者数
種別 | 登録件数 | 事業所数 |
---|---|---|
トラック | 3,481件 | 5,451事業所 |
バス | 153件 | 330事業所 |
タクシー | 324件 | 443事業所 |
※2018年(平成30年)4月27日現在
グリーン経営認証は、取得する事業者はまだ少ないです。他社との差別化につながります。
これからの時代を勝ち残るために是非とも取得しておきたいものです。
(参考URL)『公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団』
グリーン経営認証に対する助成金
グリーン経営認証を受けるには、審査費用や登録費用がかかります。
トラック運送会社がグリーン経営認証を受けるにあたっては、加入しているトラック協会によっては、助成を受けることができます。
一部の自治体でもグリーン経営認証に対する助成制度があります。
グリーン経営認証に対する助成金については、「グリーン経営認証に対する助成金」をご覧ください。