貨物軽自動車運送事業者は、事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行う「貨物軽自動車安全管理者」を営業所ごとに1人選任しなければなりません。
貨物軽自動車安全管理者は、次の2つの講習を、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で受講しなければなりません。
貨物軽自動車安全管理者講習等とは
貨物軽自動車安全管理者が受講する必要のある、以下の2つの講習のことです。
- 貨物軽自動車安全管理者講習
貨物軽自動車安全管理者の選任前に受講 - 貨物軽自動車安全管理者定期講習
貨物軽自動車安全管理者に選任後、2年ごとに受講
貨物軽自動車安全管理者講習等の概要
貨物軽自動車安全管理者講習
貨物軽自動車安全管理者講習とは、新たに貨物軽自動車安全管理者として選任される者が事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行なうに当たり必要な事項に関する知識を習得するための講習です。
貨物軽自動車安全管理者講習の受講を修了しないと、貨物軽自動車安全管理者にはなれません。
| 対象 | 新たに貨物軽自動車運送事業の安全管理者として選任される者 |
| 目的 | 運行の安全の確保に関する業務に必要な事項に関する知識を習得すること |
貨物軽自動車安全管理者講習の内容
| 講習項目 | 講習内容 |
|---|---|
| ①自動車運送事業、道路交通等に関する法令 | • 貨物自動車運送事業法、安全規則 • 道路運送車両法 • 自動車点検基準 • 自動車事故報告規則 |
| ②運行管理の業務に関すること | • 貨物軽自動車安全管理者制度の趣旨及び内容並びに安全規則に基づく運行管理の実務 |
| ③自動車事故防止に関すること | • 飲酒運転防止、労務管理、健康管理等に関する基礎知識 |
| ④修了試問及び補習 | • 講習の効果を判断するための修了試問 •所定の能力を有すると認められなかったものに対する補習 |
貨物軽自動車安全管理者講習の実施時間
１～４について合計5時間以上
貨物軽自動車安全管理者定期講習
貨物軽自動車安全管理者定期講習とは、既に貨物軽自動車安全管理者として選任されている者が事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務を行うに当たり必要な事項に関する最新の知識を習得するための講習です。
貨物軽自動車運送事業者は、貨物軽自動車安全管理者に貨物軽自動車安全管理者定期講習を選任の日から２年ごとに受けさせる必要があります。
| 対象 | 既に貨物軽自動車安全管理者として選任されている者 |
| 目的 | 運行の安全の確保に関する業務に必要な事項に関する最新の知識を習得すること |
貨物軽自動車安全管理者定期講習の内容
| 講習項目 | 講習内容 |
|---|---|
| ①自動車運送事業、道路交通等に関する法令 | • 道路交通法 • 労働基準法 • その他関連する政令、省令、告示及び通達 |
| ②運行管理の業務に関すること | • 最新の情報に基づく運行管理の実務 |
| ③自動車事故防止に関すること | • 事故事例に基づく事故防止対策 |
| ④修了試問及び補習 | • 講習の効果を判断するための修了試問 •所定の能力を有すると認められなかったものに対する補習 |
貨物軽自動車安全管理者定期講習の実施時間
1～4について合計2時間以上
貨物軽自動車安全管理者講習等の受講方法
国土交通省から講習を行う者として登録を受けた各講習機関で受講できます。
2025年3月1日時点で、登録されているのは独立行政法人 自動車事故対策機構（NASVA）のみです。NASVAではインターネットを利用したオンラインでの講習（eナスバ）を実施しています。
NASVAの軽貨物安全管理者講習についてはこちらで詳しく説明しています。
＞＞ 『NASVAの貨物軽自動車安全管理者講習（eナスバ）について』
ヤマト運輸もオンラインでの講習を予定しているようです（2025年3月1日時点）。講習を修了すると、実運用で使える必要記録簿フォーマットのダウンロード・活用ができます。
＞＞ ヤマト・スタッフ・サプライ『貨物軽自動車安全管理者講習』
講習の実施方法には、対面またはオンラインがあります。
登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧
講習機関は、国土交通省のホームページで確認できます。
＞＞ 国土交通省『登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧』
貨物軽自動車安全管理者講習等の修了証明
貨物軽自動車安全管理者講習等の受講を修了すると、修了証明書が交付されます。
貨物軽自動車安全管理者が各自保存します。
貨物軽自動車安全管理者の選任届出を提出する際には、修了証明書の写しを添付する必要があります。
