霊柩車運送事業を行なうには、一般貨物自動車運送事業の許可が必要です。
霊柩車運送事業は、事業用車両数は1台から許可申請することができます。車両数が5台未満であれば運行管理者及び整備管理者資格の保有の必要はありません。
霊柩車運送事業許可の欠格事由
霊柩車運送事業の許可を受けるには以下の欠格事由に該当していないことが必要です。法人の場合、役員のうちひとりでも欠格事由に該当していたら許可を受けることができません。
- 一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
- 一般貨物自動車運送事業又は特定貨物自動車運送事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から二年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である 場合においては、当該取消しに係る聴聞の通知が到達した日前六十日以内にその法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力 を有するものを含む。第四号において同じ)であった者で当該取消しの日から二年を経過しないものを含む。)
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成年被後見人であって、その法定代理人が前二号又は次号のいずれかに該当するもの。
- 法人であって、その役員のうちに前三号のいずれかに該当する者のあるもの
霊柩車運送事業許可の基準
関東運輸局管内では、許可の基準は次のように項目分けされています。それぞれについて細かく基準が定められています。
関東運輸局のホームページ『貨物自動車運送事業をおこなうには 3.許可等の基準(一般貨物自動車運送事業の場合)』をご参照ください。
- 営業所
- 車両数
- 事業用自動車
- 車庫
- 休憩・睡眠施設
- 運行管理体制
- 資金計画
- 法令遵守
- 損害賠償能力
これらについて、以下で解説します。
営業所
- 使用権原を有すること。
自己所有の場合は、登記簿謄本等の写しを添付します。借入れの場合は、1年以上に渡って使用できることが必要です。契約期間が1年以上の賃貸借契約書の写しを添付することとされています。契約期間が1年未満の場合は、自動更新であればOKです。 - 農地法、都市計画法、建築基準法等関係法令に抵触しないこと。
市街化調整区域内にある車庫にプレハブを置いて営業所とすることはできません。 - 規模が適切であること
車両数・事業用自動車
- 車両数は1台からOKです。
- 大きさ、構造等が輸送する貨物に適切なものであることが必要です。
- 使用権原を有すること。リース車両の場合、1年以上の契約期間が必要です。
車庫
- 原則として営業所に併設していること。
併設できない場合は、以下の距離以内ならOKです。- 営業所を東京都特別区、神奈川県横浜市及び川崎市に設置する場合:20km
- 営業所を上記以外の地域に設置する場合:10km
- 車両と車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確保され、かつ、計画する事業用自動車のすべてを収容できるものであること。
- 他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。
- 使用権原を有することの裏付けがあること。
自己所有の場合は、登記簿謄本等の写しを添付します。借入れの場合は、1年以上に渡って使用できることが必要です。契約期間が1年以上の賃貸借契約書の写しを添付することとされています。契約期間が1年未満の場合は、自動更新であればOKです。 - 農地法、都市計画法等関係法令に抵触していないこと。
- 前面道路については、原則として幅員証明書により、車両制限令に適合するものであること。
休憩・睡眠施設
- 乗務員が有効に利用することができる適切な施設であること。
- 睡眠を与える必要がある乗務員1人当たり2.5平方メートル以上の広さを有すること。
- 原則として、営業所又は車庫に併設するものであること。ただし、営業所に併設されていない場合であって、車庫に休憩・睡眠施設を併設するときは、当該休憩・ 睡眠施設の所在地と休憩・睡眠施設を併設しない車庫の所在地との距離が10km(東京都特別区、神奈川県横浜市及び川崎市に営業所を設置する場合は、 20km)以内であること。
- 使用権原を有することの裏付けがあること。
自己所有の場合は、登記簿謄本等の写しを添付します。借入れの場合は、1年以上に渡って使用できることが必要です。契約期間が1年以上の賃貸借契約書の写しを添付することとされています。契約期間が1年未満の場合は、自動更新であればOKです。 - 農地法 、都市計画法、建築基準法等関係法令に抵触しないこと。
運行管理体制
事業の適正な運営を確保するために、次に掲げる管理体制を整えていなければなりません。
- 事業計画を適切に遂行するため必要とする員数の貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第2項に適合する事業用自動車の運転者を、常に確保できるものであること。
日雇い、2か月以内の短期雇用者や試用期間中の人などは運転者として認められません。 - 選任を義務づけられる員数の常勤の運行管理者及び整備管理者を確保する管理計画があること。
- 勤務割及び乗務割が平成13年8月20日国土交通省告示第1365号に適合するものであること。
- 運行管理の担当役員等運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。
- 車庫が営業所に併設できない場合には、車庫と営業所が常時密接な連絡をとれる体制を整備するとともに、点呼等が確実に実施される体制が確立していること。
- 事故防止ついての教育及び指導体制を整え、かつ、事故の処理及び自動車事故報告規則に基づく報告の体制について整備されていること。
- 危険品の運送を行う者にあっては、消防法等関係法令に定める取扱い資格者が確保されるものであること。
資金計画
- 資金調達について十分な裏付けがあること。
- 事業の開始に要する資金(以下、「所要資金」という。)の見積りが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであること。自己資金が次に掲げるものの合算額の2分の1に相当する金額以上であること。
- 車両費
取得価格(分割の場合は頭金及び6ヶ月分の割賦金。ただし、一括払いの場合は取得価格。)又は、リースの場合は6ヶ月分の賃借料等 - 土地・建物
取得価格(分割の場合は頭金及び6ヶ月分の割賦金。ただし、一括払いの場合は取得価格。) 又は、6ヶ月分の賃借料、敷金等 - 保険料
① 自動車損害賠償責任保険料又は自動車損害賠償責任共済掛金の1ヵ年分
② 賠償できる対人賠償自動車保険(任意保険)料の1ヵ年分又は交通共済の加入に係る掛金の1ヵ年分
③ 危険物を取扱う運送の場合は、当該危険物に対応する賠償責任保険料の1ヵ年分 - 各種税
租税公課の1年分 - 運転資金
人件費、燃料油脂費、修繕費等の2ヵ月分
- 車両費
- 所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。
法令遵守
- 申請者又はその法人の役員は、貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有し、かつ、その法令を遵守すること。
- 健康保険法、厚生年金法、労働者災害補償保険法、雇用保険法(以下、社会保険等という。)に基づく社会保険等加入義務者が社会保険等に加入すること。
- 申請者又は申請者が法人である場合にあっては、その法人の業務を執行する常勤の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)が、貨物自動車運送事業法又は道路運送法の違反により、申請日前3ヶ月間(悪質な違反については6ヶ月間)又は申請日以降に、自動車その他の輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)の処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合における処分を受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時現にその法人の業務を執行する常勤の役員として在任した者を含む。)ではないこと。
その他法令遵守状況に著しい問題があると認められる者でないこと。 - 新規許可事業者に対しては、許可書交付時等に指導講習を実施するとともに、運輸開始の届出後1ヶ月以降3ヶ月以内に実施される地方貨物自動車運送適正化事業実施機関の適正化事業指導員による巡回指導によっても改善が見込まれない場合等には、運輸支局による監査等を実施するものとする。
損害賠償能力
- 自動車損害賠償責任保険又は自動車損害賠償責任共済に加入する計画のほか、一般自動車損害保険(任意保険)の締結等十分な損害保障能力を有するものであること。
- 石油類、化成品類または高圧ガス類等の危険物の輸送に使用する事業用自動車については、(1)号に適合するほか当該輸送に対応する適切な保険に加入する計画など十分な損害賠償能力を有するものであること。
許可の条件
許可の要件ではありませんが、許可を出す際の条件として次のものがあります。
- 許可を受けた日から1年以内に運輸を開始すること。
- 運行管理者及び整備管理者の選任届を運輸開始前に行うこと。
- 運輸開始前に社会保険等加入義務者が社会保険等に加入すること。
- 貨物自動車運送事業報告規則第3条の規定に基づき、運輸開始前に確認報告を行うこと。
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