トラック運送会社の運行管理者が行なう日常の業務について
トラック運送会社の運行管理者が行なうべき業務は、国土交通省令で定められています。
具体的な業務として、以下のものが挙げられます。
乗務員台帳および乗務員証等の作成
乗務員台帳または運転者台帳の作成
運行管理者は、運転者ごとに乗務員台帳または運転者台帳を作成して、運転者が所属する営業所に備え置かなければなりません。
乗務員証または運転者証の作成
運転者の指導監督
運行管理者は、運転者や乗務員に対して適切な指導を行なわなければなりません。
次の運転者に対して、特別な指導を行ない、国土交通大臣が認定する適性診断を受けさせなければなりません。
- 死者または負傷者が生じた事故を起こした運転者
- 運転者として新たに雇い入れたもの
- 高齢者
事業用自動車の運転者の乗務割の作成
運行管理者は、定められた勤務時間・乗務時間の範囲内で乗務割を作成し、乗務割に従って運転者を乗務させなければなりません。
運転者の過労を防止するため、次の事項を十分考慮し、乗務割を作成する必要があります。
乗務割を作成するにあたって留意するべき事項
- 前日の作業終了時からの休息期間の確認
- 深夜勤務時間の確認
- 連続運転時間(深夜連続運転時間、高速道路連続運転時間を含む。)と中間における休憩時間の確認
- 2 週間を通じ、必ず1 回休日を付与する
- 公休割当の作成と、周知の徹底(公休割当は、やむを得ない事由以外は変更禁止。)
- 長距離運行や夜間運行に際し、疲労等により安全な運転をすることができない場合の交替運転者の配置
- 乗務前点呼で、運転者の酒気帯び及び健康状態を把握し、酒気帯び、疾病及び疲労
等による乗務の禁止
(出典:『全日本トラック協会運行管理マニュアル』)
点呼
点呼とは、
- 乗務開始前に安全に運行できる状態かどうか報告を求め確認するとともに必要な指示を与えること(乗務開始前点呼)
- 乗務終了後に運行の安全にかかる状況について報告を求め確認すること(乗務終了後点呼)
をいいます。
点呼は、原則として運転者と対面して行なわなければなりません。
乗務記録(運転日報)の管理
乗務記録(運転日報)は、乗務員の日常の業務を運行管理者が把握し、過労乗務の防止や運行の適正化のために活用します。
乗務記録(運転日報)は1年間保存しなければなりません。
事故の記録
安全運行の指示
準備中
休憩・睡眠施設の保守管理
運行管理者は、休憩・睡眠または仮眠のための施設を常に良好な状態に維持しなければなりません。乗務員が有効に利用できるように適切に管理しなければなりません。
運行管理者に課せられる責任
無理な運転をさせると運行管理者自身が刑事責任を負うこともあります。
運行管理者は、労働時間の基準を守り、運転者の過労防止に努める必要があります。
運行管理者(貨物)必携ポケットブック
安全への配慮を欠いたトラック運送(事故)、少子高齢化によるトラック運転者不足などが社会問題となり、貨物輸送に関する運行管理の充実、徹底が求められています。
「運行管理者」の資格試験に受かるための知識と実際の実務知識は別物です。
『運行管理者(貨物)必携ポケットブック』は、貨物輸送における運行管理の実務に役立つ内容をコンパクトにまとめています。
巻末には実務に使える関連資料が掲載されています。
著者 :鈴木 邦成
出版社 : 日刊工業新聞社
発売日 : 2016/8/26
運行管理者(貨物)必携ポケットブック(第2版)
貨物輸送は物流を支えるキモの部分だといえます。
しかし、近年ではトラックドライバー不足が社会問題となっており、2024年問題が叫ばれています。
『運行管理者(貨物)必携ポケットブック(第2版)』は、ドライバーを管理する運行管理者の実務についてまとめた書籍です。
著者 :鈴木 邦成
出版社 : 日刊工業新聞社
発売日 : 2024/2/28